ノイズとの戦い
分別のない大人達2号 2002/09/30
このレポートは、本サイトの導入記の内容をまとめたものです。

アンケート結果が集まるにつれ、当社のUpload速度が他の人たちと比較して低いことに気づきました。

名前 線路距離 伝送損失 上り速度
かずき 様 750m 10dB 769.09Kbps
当 社 800m 10dB 651.88kbps
中町商工会 様 1000m 14dB 716.57Kbps
しの 様 2170m 41dB 706.48Kbps

これでは、自称・インターネットと通信工事のエキスパートを名乗るプロとしては、恥ずかしいと言う事で、「上り速度改善プロジェクト」を発動しました。以下がその記録です。
【上りが遅い原因は何か?】
当社の場合、「下り」の速度に関しては路線距離(伝送損失)相応のスピードが出ていますから、配線関係に問題があるとは思えません。
となるとノイズ関係?ADSL導入前に心配していたのは、ISDNとの干渉でした。と言うのが当社では商工会のWeb Server用に1回線、店のPOS用に1回線の2回線のISDN回線が常時接続しています。右の図を見て貰ってもわかるように、ADSLの上りとISDN回線が使う周波数帯域は重なっています。

【対策と結果 その1】
「それじゃISDN回線を切っちまえ!」ってことで、両方のTAの電源を切って回線速度をチェックしましが、結果は.変化ありませんでした。
その後、多くの現場でISDN回線とADSL回線との共存をみてきましたが、同じ集合ケーブルに両信号が流れていても、ほとんどの場合ADSLの速度に影響を与えないことがわかりました。

【対策と結果 その2】
屋内のその他のノイズ源を探してみましたが、これと言って思い当たる物もありません。それならノイズ源を絶つよりも回線に乗っているノイズを除去したら?早速、手元にあったノイズフィルタを回線に取り付けてみました。

ISDNルータに付いていたNFを装着
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/11(Wed) 21:03:25
Download: 6.67Mbps
Upload: 703.98kbps
局線を直結、被覆なしでNFを装着
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/11(Wed) 21:25:20
Download: 6.67Mbps
Upload: 735.59kbps
ISDNルータに付いていたNFを電源に追加
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/14(Sat) 22:28:26
Download: 6.67Mbps
Upload: 768.5kbps
結果は上記の通りです。パソコン雑誌等ではノイズ・フィルタはそれ程効果がないと紹介されている場合が多いのですが、当社では「上り」速度で +117kbpsの増速効果が出ました。

以上の実験を元に、スプリッタ → モデムを接続するケーブルを自作しました。電話工事用の2芯ツイストペア・ケーブルの片側の被覆を取り去り、ノイズ・フィルタを取り付けたのが味噌です。
自作ケーブル
【最終設定】
現在のシステム
2個のノイズフィルタと自作ケーブルを使ってセットしたのが写真・右のシステムです。
上のモジュラー・コンセントから出た局線はスプリッタを経由して、自作ケーブルでADSLモデムへ。電話用回線は下のコンセントから自室の電話に送っています。

最後の一押しに、本サイトのADSL情報掲示板の書込みを参考に、モデム電源の極性合わせをやってみましたが、予想以上の効果が出ました。
speed.rbbtoday.com
Date: 2002/09/23(Mon) 10:58:17
Download: 6.67Mbps
Upload: 781.33kbp
当初、頭を痛めていたUpload帯域のノイズ対策もISDNルータに使用されていたノイズ・フィルタを使う事により上手く対処できました。その他、モデム周辺のノイズ対策でUpload速は+130kbpsの増加となり、大変満足しています。

この結果を出せたのも、ADSL情報掲示に自分の体験談をお寄せ頂いた皆様のおかげです。この場をお借りしてお礼申し上げます。

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